うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー 【アニメ:映画】

    うる星やつらを知っていても「ビューティフル・ドリーマー」を知らない人は結構いると思います。
    ……たぶん。

    私のブログを読んでいる半分の人は知らないだろうなぁ、
    と思いつつ走ってみようと思います。

    アニメ界屈指の演出家 押井守
    その演出家としての力を開花させたと言っても過言ではない作品が「ビューティフル・ドリーマー」です。

    【ネタバレ注意。まだ観ていない人はこの先を読まない方が良いでしょう】

    知らない人のために簡単にストーリーを説明すると、
    諸星あたる以下いつものメンバーが「学園祭前日」という夢の世界にとらわれてしまう話です。
    そして、最終的には、その夢の中から脱出しようとする話です。

    まぁ、ストーリーなんてどうでもいいです。
    今回は押井守がメインですから。

    まず彼は「学園祭前日」の世界を繰り返し語ります。
    初めは、何となく言われていた「学園祭前日」。
    しかし、ふとしたきっかけでこの「学園祭前日」と言う言葉が大きくのしかかってくるのです。

    うまいです。
    さすがです。

    見ている人は、
    学園祭前日」のセリフを何気なく聞き流してしまうように初めのうちは設定されています。
    そして、アニメである。
    と言うところまでを逆手に取ります。

    どうせアニメだからと、
    似たようなシーンがあっても観ている側は気にしないのです。
    それによって「学園祭前日」という世界は、
    何遍も繰り返されていくのです。

    そして、「学園祭前日」は、
    ついにその本性を現します。

    アニメだと思って気にしていなかった連続する同じ演出が、
    実は巧妙に細工されたものだと分かるのです。

    そして、自己弁護も手伝って「なんで今まで気が付かなかったことが、今更ながらに気が付くんだ」という否定的な意見を言わせなくするのです。

    「自分も気が付かなかったから」と。

    その後の展開は、
    その嘘を隠すために嘘を暴きにかかります。
    出ている登場人物が、こんなにおかしいのに何で今まで気が付かなかったんだ。
    と。
    観ている人が考える前に、次々と暴いていきます。

    そして、その中にも大きな嘘を隠すために小さな嘘を付いて、
    またそれも暴かれていくのです。

    大きな嘘を隠すために。

    「学園祭前日」の世界はなくなり、
    亀の上に乗った友引町が現れます。
    夢であることを肯定する世界。

    それが「亀の上に乗った友引町」なのです。

    ここでは毎日が楽しく過ぎ去っていきます。
    しかし、アニメであることをこばかにし否定するものも存在します。
    それが面倒率いる夢からの帰還を目指すものたちです。

    この世界を作り出している夢見る人を捜し出し、
    目を覚まさせることによって現実に帰ろうとするのです。

    当時としては、すごくリアルに近い背景描写と細かい演出で世界を構築していきます。

    それは、オープニングの不可思議な世界として「亀の上に乗った友引町」を荒廃した世界として一番はじめに、
    それも何の脈絡もなく見せている。

    その後に「学園祭前日」が始まるのですが、
    見ている人は、初めてここでオープニングの荒廃した世界がこの「亀の上に乗った友引町」であることを知るわけです。

    うまいですねぇ。
    さすが押井先生。

    この後、怒濤のように夢が現れ夢が壊れていく。
    アニメを意識させる演出です。
    夢の中の本人、ここではあたるくんですが、あたるくんにはどんなに突飛なことが起きてもそれが現実なのか、夢なのか分かりません。
    しかし、見ている私たちは、それは夢なんだとすぐに分かります

    うまいっ。

    そして、最後。
    あたるくんは現実の世界へ帰還します。

    しかし、それは夢。

    「木造建築三階建て」の友引高校はエンドタイトルテロップが出るときに全体像を表します。
    「木造建築二階建て」として。
    そうです。
    夢は終わっていないのです。

    「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」のタイトルもここで始めて出てきます。
    これから始まるのです。
    夢の続きが。

    物語的にも初めのオープニングの謎が解けます。
    口をだらしなく開け、白目をむいている諸星あたる。
    彼は、夢から帰還した記憶を持っているただ一人の人間なのです。
    もうすでにあたるのなかには、夢と現実の区別がありません。

    そして、それは「うる星やつら」を見ている私たちそのものなのです。
    現実の象徴なのです。

    押井守はこの作品中にたぶん本人の言葉として最後無邪気に言わせています。
    「つかれるで、ほんま。この人たちとつきあうのは」

    当時、コミックは、超人気でいつまで立っても学生のままで物語は進み、
    TVアニメも好調でなかなか番組が終了しない。

    「ビューティフル・ドリーマー」は、そんな「うる星」ワールドを現実にシニカルに描いた作品なのです。
    アニメでこんなに手の込んだことをしたのは、たぶんこの作品がはじめてではないかと思います。
    子供向け。
    そんな言葉を楽しむかのように、逆に子供向けだと思ってみていると罠にはまるように実に巧みに演
    出されています。

    この後、押井守はうる星やつらの演出を離れ、
    試行錯誤の時期を経て本当の意味での「押井守」を完成させていきます。










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